お登りさん日記

ほぼ岩の記録。課題のネタバレはがっつりするので悪しからず。

アブとハチから逃げながら瑞牆で登った

コロナによる緊急事態宣言以降ずっと更新していなかったけど元気に登ってます。

通勤時間にブログを書いたりしていたのがリモートワーク中心になり、その習慣も無くなってしまったので岩にいっても更新が滞っていたけど、御岳なんかはちょくちょく行っていた。

僕の会社はお盆休みがない(帰省するなら勝手にスケジュール調整して有給とれ!のスタイル)ので直前まで三連休があることすら忘れていて、3,4日前に友人のGくんに車の都合をつけてもらって、WさんとYさんを誘って4人でいくことに。

場所は自分とWさんの希望で三の谷を中心に、美しき日の岩、夜岩、倶利伽羅の岩へ行った。

美しき日の岩

最初はWさんが普通の日と日々の暮らしリベンジのために美しき日の岩へ!

自分は日々の暮らしだけ登っていたので美しき日が登れたらエレスアクべをやりにいくつもりだった。

ところが、山の中に入ってすぐくらいから周辺からブンブンブンブン飛び回る音が、、、

岩場についた頃には周りはハチだらけになっていた。自分は真っ赤なマットに黒いTシャツを着ていたのでめちゃくちゃ狙われて、背中と頭に止まられる始末。

事前にコンビニで虫除けを買っておいたけど、ハチがデカすぎるせいか全然効かず、Gくんが追い払ってくれるまで微動だにせず飛んでいくのをまっていた。ハイボールの上部と同じくらい緊張した。

結局マットは敷いたけどあまりにハチが多すぎて危ないので諦めて夜岩へ移動。

虫のせいで敗退は人生初。こういうこともあるのか。

夜岩

山道を歩いて息が上がったせいで二酸化炭素に反応したのかもしれないけど、呼吸を整えて夜岩に移動したらハチはだいぶ減った。代わりにアブがちょくちょく飛んでたけどハチほど多くはなかったのでこわいけど我慢。

先行していたパーティーに混ぜてもらい、アップを済ませてから夜をトライすることに。

GくんWさんは夜を待ちながら、Yさんは僕と一緒に夜をトライした。

Gくんに瑞牆レイバックは5級だから余裕だよwとけしかけたけど、高いから無理!と冷静に断られてしまった。まあ3級だし落ちた時に怪我しかねないのでかしこい。

夜(二段+)

夜岩のカンテを直上する課題。適当にネットから拾った情報だと昔は初段だったけど元から辛くグレーディングされていたとか、足がぼろぼろ崩れるだとか言われていたようなので今のトポでは二段+(v10)と表記されている。昔はvグレードに対応させていなかっただろうからわからないけど、v7から徐々にグレードアップしたとしたら3グレード上がっていることになる。そんな課題めったにないのでは?

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なにも考えずにトライしたけど、よく考えたらめっちゃ高い岩!

(以下、トライした課題の詳細を書くつもりなのでオンサイトを狙いたい人は読み飛ばしてください。)

とりあえず事前情報は特になし(数年前に同行者がトライしていたのを見ていたけどもうさっぱり覚えてない。)の状態で開始。

何年か前に来た時はホールドがどこなのかすらわからなかった課題。ここ一年くらい岩にいく頻度が増えたおかげか今回はわりとすんなりホールドを見つけることができた。これだけでも成長を感じる。

どこからスタートすればいいのかわからなかったけど、先行パーティの人がガバとでかいアンダーポケットガバのセパレートでスタートしていたのでこれを真似してスタート。(トポには何も書いていなかったので適当でよさそう)

最初のポケットは問題なくかかるけどその次が悪く、ガチャったカチとポケットを一本ずつかけて保持しないといけない。足もよくわからなくて適当に踏んだけど滑って全然乗れない。

いろいろ試した結果、右足ヒールと左足スメアで足コンプレッションをしてデッドでいくのが良さそうだった。

ただ次の手がかなり狙いにくく、右手は悪いまま、遠くて小さいホールドにデッドするので全然当たらない。 20分くらい頑張ってようやく一発止まったが、落ち着いて足を極めなおせず、適当に一手出してフォール。

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デッドを止めたところ。

結局その後は一度も止められず、敗退。シーズンになったらリベンジしたい。

夜を待ちながら(2級)

夜がなかなか進まないので、気分転換に途中でGくんとWさんの「夜を待ちながら」のセッションに混ぜてもらった。

この課題は数年前に瑞牆に来た時に大苦戦した挙句敗退した因縁の課題。

スタートから早速足が悪い。結構強めに左足のエッジングを意識して立ち込む。

右手の初手は、みんなアンダーで持っていたけど自分はモノポッケで引いてから足上げ、重心を上げてからアンダーに持ち直した方が安定した。

次の手もいまいちコツがわからなかったので少し右上のモノポッケで引きあげて足を上げ、左サイドのモノポッケへ送る。

バランスが崩れないよう気をつけつつ、リップ手前のカチを右手で止めたらあとは体を上げてマントル。焦って取りにいくと逆にバランスが崩れてしまうので丁寧に取りに行く。

一本指ばっかりでしんどいけどなんとか登ることが出来た。スラブもモノポッケも昔より上手くなったかもしれない。何年も過去に敗退した課題をリベンジすることはあんまり多くないので2級でも登れると成長を感じて嬉しい。

Wさんはトイレで軽量化を図り、戦略的に完登。Gくんはリップまでいってなぜか2回焦って落ちていたけど無事完登。

Wさんは前から身のこなしが上手くてこの手の課題は結構さくっと登れていて強い。Gくんはジムスラブ専門だったけどここ数ヶ月で指がパワーアップしたらしく岩場のスラブにも対応できるようになっていた。

数年前の自分のスラブの下手さと比べると、今自分がスラブをできるようになっているのはスラブが好きで得意な人が結構周りに多いからかもしれない。

Gくんが完登したあたりで昼過ぎになったので別の岩に移動することにした。

倶利伽羅の岩

どの岩に行くか迷ったけど、前々から竜王がいい感じのハングにランジ課題と聞いて気になっていたので倶利伽羅の岩へ。

夜岩からも直線距離だと結構近い。

途中、千里眼の岩も見たけど結構人気で混雑していた。

倶利伽羅の岩は先行パーティーは1組。まずは竜王からトライ。

竜王(初段)

昔は1級だったらしいけどスタートが少し欠けたりして新トポでは初段に格上げされたらしい。

実際に来てみると結構大きい岩で、しかもきついのはどちらかというとスタートの方だった。

セパレートの両手カチアンダーだけどSDにしては位置が高い。しかも足が微妙な位置にあって体を上げにくい。

先行パーティーのおじさんがニヤニヤしながら教えた方がいい?と聞いてきたけど悔しいから自分で考えることにした。

足の位置に合わせて体をズラすと左手のアンダーが全く効かなくなったので両方のアンダーの中心の位置に座り、右足でめちゃくちゃ突っ張りながらであればアンダーを効かせながら立てることがわかった。

でもこのままだとバランスが悪すぎて初手に出られないが、最初の足は左足でもなんの問題もなく立ち上がれた。

このままゴリ押し気味に初手を止めると、足が急にツルツル滑る!

重心が高くなったせいでフットホールドにちゃんと圧がかけられなくなるので、重心があがっても足が外れないよう意識しつつ慎重にランジパートに入る。

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ランジは大きめのホールドでコンプレッション系で得意だったので問題なく突破。足を反対側に振って左手を頂点のところに寄せてマントリング。

マントルも若干緊張したけど問題なく出来た。

Wさんはスタート意外は出来ていたけれど、スタートに苦戦。Yさんは腹の底から声を捻り出して本気保持でスタートを突破、ランジは左手がすっぽ抜けたのに足でバランスをとって落下を回避!熱いトライで完登していた。

自分がやりたいと言ってみんなを連れてきたのに難しいのがスタートの地味なところで焦ったけど、終わってみればいろんな角度でパワーを要求されて内容の充実したいい課題だった。

あんまりメジャーな印象はないけれど最近のジムボルダーが好きな人は絶対好きな課題だろうし、もっと評価されていい課題なんじゃないか?

ラクリ(1級)

以前は初段だったけど新トポで1級に格下げされたらしい。 トポだと垂壁の課題に見えたけど実際にみたらがっつり傾斜でリップをトラバースする課題だった。

WさんとGくんがトライしにいくと言っていたので、竜王が終わって暇になったタイミングで同行。

とはいえ竜王でそこそこ疲れたのでWさんとGくんの写真とか動画を撮ったり応援をしながら休憩。

Gくんはスラバーなので傾斜のスタートに大苦戦。傾斜弱え!とずっと言っていた。

Wさんもリップの悪いところの保持が体のサイズ的に合わないらしく、苦戦。しかも途中のトライで足の爪が割れるハプニングまで。

選手交代ということで自分も休憩を終えたのでトライすることに。

ムーブは結構見せてもらったので油断せずに集中してトライ。リップのパートでホールドに迷ったり、スタートに置き直した足が切れそうになったりしたけど、どうにかこうにかしがみついてリップの頂点にデッド!超ガバで助かった。無事フラッシュ出来た。お買い損じゃなければ小川山瑞牆の1級は割と一撃できるような気がしてきた。

Wさんは休憩して再びトライ開始。でもだんだんとヨレてきて高度は上がらず。Gくんも帰りの運転があるからトライはせずにいた。

帰り際に少しだけ倶利伽羅もトライしたけど、スタートホールドが壊れたらしくめちゃくちゃ難しかった。初段にしてはきつすぎるしスタートがキモくてあんまりモチベーションが上がらなかったのでそうそうに敗退。

日も暮れてきて中央道が渋滞して帰りが遅くなるのを見越して17時前くらいに撤収した。

まとめ

この日の成果は、夜を待ちながら(2級)、竜王(初段)、カラクリ(1級)FL。 敗退は夜(2段+)、倶利伽羅(初段)。

Gくんには急に車の手配をお願いして朝も帰りも運転してもらって大感謝。

帰りは結構しんどそうだったし、今後は複数人で運転できる状態にした方がよさそう。

当初やるつもりだった美しき日とエレスアクべはハチに追い立てられて出来なかったので、秋になったらリベンジしたい。