お登りさん日記

ほぼ岩の記録。課題のネタバレはがっつりするので悪しからず。

暖冬の瑞牆。

3/21に瑞牆に行った。

季節的にゲートはまだ開いていないので手前の天鳥川エリアへ。

天鳥川エリアは指人形の岩、バタフライエフェクトの岩、嘆きの岩しかないが、どれも有名かつ好課題が揃っている。

今回は指人形と嘆きの壁を目的に向かった。

暖冬とはいえ瑞牆なので寒さには警戒していたけれどかなり温かくて、ほとんどの時間を半袖かパーカーを羽織る程度で過ごすことができた。(でも風が抜けると普通に寒い)

指人形の岩

中央道が結構空いていて、9時すぎには指人形の岩につくことができた。まだシーズンじゃないせいかパーティーは自分たちのみ。

指人形の岩は駐車場のすぐ下にあるのでアプローチがめちゃくちゃ楽。駐車場も5台くらいは止められそうだった。

ただ近くにぶら下がりやすい岩があまりないのでアップは散歩したり体操したりで済ませた。気にぶら下げるラング(名前忘れた)があればいくらでもアップは出来そうではあった。

あとで気づいたけれど、小川のちょっと上流に課題がない巨岩があって、そこの下部にガバがいっぱいあったのでそこで懸垂するのが良さそうだった。

指人形

指人形は初段だけど比較的お買い得と聞いていたので一撃を狙い柄にもなく入念にwebザベをしてきた。

一緒にいったみんなのトライを一頻り見てからいざフラッシュトライ。

プッシュが返せずあっさりフォールw

入っていた気合があっさり抜けていった。

指人形は以前完登ずみのWさんにお手本を見せてもらい、スタートをラップで保持することを意識したらうまく体をあげることができた。テクい。

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この右手が実はラップ。

しかしここからの体勢の悪さ、体の温まり切らなさがたたって脇腹を攣る。悶絶。アップの重要さを体感した。

同行したKさん、Sさんもスタートのいやらしさに苦しんでいた。

苦しむ3人を尻目にWさんは数トライで無事再登。バリエーションのエンドロール(二段)に取り掛かる。

運転手をしてくれたIくんもさくっと完登。いつも自分が先に成果を出すのでここぞとばかりにめちゃくちゃ煽られたw

自分も意地になって抜けそうになりながら最後のダイノを止めて完登。結局10トライ近く打ち込んだ。

この課題は下部のテクさと最後のダイナミックさが対比的で面白い。しかもランジはブラインドだし跳びすぎると振られに耐えられずに落ちてしまう繊細さもある。ムーブのうまさがもとめられる課題だった。

エンドロール

なんとか完登したのでIくんWさんと一緒にエンドロールに取り掛かる。このくらいのタイミングで別のパーティーもやってきた。

エンドロールの部分は奥のガバから指人形のスタートへ一手だしてマッチ、足を振って指人形のスタートポジションに入るところまで。ここからまた繊細なランジをこなすのも緊張感がある。

指人形のスタートマッチから足を振るパートが結構パワフル。キョンで姿勢を作ってからゴリっとピンチして耐えるムーブが自分にはまったのでこれで突破した。

Wさんにおすすめしたがいまいちわかりあえず、結局Wさんは正対で突破していた。Iくんもぬるりと突破。案外なんとかなる。

後半が指人形と同じなのでそんなに苦労しないとは思っていたが、結局5トライくらいで登れてしまい、動画を取り損ねてしまった。まあ、難しいパートの何が難しいかは見た目じゃわかりにくいからいいか。

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動画がないので指人形のランジのところ。このあとすっぽ抜けて落ちる。

ムササビ

指人形の岩のラスボスはムササビ(二段)。なぜかトポには載っていないが動画は結構上がっている。エンドロールのスタートから直上してトラバース、トラバースパートで天井をプッシュで耐えたりする。最後は指人形と同じくダブルダイノ。

個人的になんでこれが面白い課題として有名になっていないのか不思議なくらい楽しい課題だった。

直上はカチカチでパワーと勢いが求められるし、トラバースパートはスラブ特有の足がのれていることを信じるメンタルが求められ、指人形のときよりも狙いにくい位置からのダブルダイノで締め括られる。クライミングの総合力が求められる全部盛りみたいな課題で最高だった。

エンドロールを終えてすぐに取り掛かったけれど、指人形があまりパワーを使わない課題だったからかそこまでヨレは感じずに始めることが出来た。

下部のカチカチは少し苦戦したが、思い切ってデッドすれば案外止まるといった感じ。そこから這い上がってスラブ面に移るところが足も悪いし手もわかりにくい。個人的に一番苦しいのはここだった。そこを越えたあとは足が全然わからなくなる。

ここらへんで詰みを感じて休憩することにした。

休憩していると後から来た撃強パーティーがスラブのパートで足をクロスして踏み換えを解決していたので、これはと思い真似してみることに。

これが自分にはベストで踏み換えは解決。

最後のランジはかなり狙いにくく、3、4回は外してフォールしたと思う。しかもここでカフェイン切れで最初のカチが止まらなくなる。

嘆きの壁のためにとっておいた2本目のエナドリをチャージ、カフェインが効くまで再度休憩。

程なくしてまたカチが止まるようになった。こんなに顕著にエナドリの効果を実感したのは初めて。カフェインが入れば強くなると信じ込んでいるので気持ちの問題かもしれない。

ランジの体勢作りのために指人形では親指で抑えたアンダーガバを右手で持ち替えて出来る限りのけぞることでリップの形状を確認、そのトライでランジを止めることができた。

ご満悦で携帯を確認すると容量がいっぱいで撮影失敗。。。。

みんなもまだトライしているし、あまりに良い課題だったのでもう一度登ることにした。

余計な動画を削除して携帯を設置、録画ボタンを押して再トライ。さっき出来たばかりなので問題なく完登。

うきうきで携帯を確認すると録画ボタンが押せておらず撮影失敗。。。。

流石にめんどくさくなったので撮影は諦めた。また来た時にでも撮ろう。

Wさんもエンドロールがかなり惜しいところまで来ていて、最後のランジを止めるだけまでになっていたが時間切れで無念の敗退。再戦を誓っていた。

Iくんはなぜか前日飲みすぎて寝不足らしく、ムササビはほとんどトライせずに敗退していた。

嘆きの岩

午後は嘆きの岩へ移動。そこまで遠くはないけどどうせ空いているので車で移動。こっちの方が駐車場が狭くて2,3台くらいのスペースがしかない。

アプローチは指人形と同じく近いけれど、指人形の岩よりアップする岩がない。今回は午後だったので特に困らなかったけど、ここも散歩くらいしか体を温める方法はなさそうな気がする。

それと、この岩だけぽつんと離れているので明確に目的の課題がない限りはトライする機会がこなさそうだと思った。

嘆きの壁

今日の本命の課題。レッドポイント3段を狙うためにオリャーさんの動画をめちゃくちゃ見たのでムーブはわかっている。

あんまりこういうスタイルはよくないと思うんだけど、最近クライミングの動画をみる頻度がすごく増えて、登りたい外岩動画を見ることに抵抗がなくなってきた。登れないよりは登れた方がいいよねというスタンス。

スタートはへの字を縦にしたような左手薄カチと、右手をフラットな垂直ガストンで始める。足は細かいけどしっかり乗れる。

でも左手カチを限界まで引いてなんとか届くくらいの高さに初手があるので、しっかり持てていないとそもそも初手に触れもしない。

自分は右手の縦ガストンを細かく刻むようにして近づいていたが、そもそも左手が持てている完登動画のクライマーたちはそんなことせずスッと初手に手を伸ばしていた。圧倒的カチ力不足。パワーでゴリ押していたしわ寄せがきた。

そこから2時間、延々左手が引けない状態が続いた。他のみんなは日暮れの道や夏への扉をトライしていた。

途中、ついにカチを握っていた左手人さし指の側面が裂けた。裂けるほど悪いカチを握り続けたのは初めてなのでびっくり。地味に痛いし握りにくい。猫パンより萎えるかも。

同じくらいのタイミングで指人形のエリアにいたパーティーが合流。その中のめちゃつよい少年はシュッと初手を止めていたけれど、その後も悪いらしく苦戦していた。

これを見て流石に無理だと感じて敗退。カチトレをしようと誓った。

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この日の最高高度。初手はもう少し左じゃないと持てない(みたい)。

夏への扉

嘆きの壁のトライ中に気分転換にみんなのセッションに混ぜてもらってトライした。

実は嘆きの壁のウェブザベ中に一緒にムーブを見てしまっているので水平かってくらい足をあげるのはカンニング済み。

それでも垂直の割れ目を持って立つところは意外と悪く、落ちそうになった。左手保持を耐えるコツは壁に左肩がつくくらいぴったり重心を寄せること。急に持てるようになる。

そんな感じでアドバイスをもらったがリップも悪い!ここは小さな窪みを2つ見つけたのでそこに指を添えて割れ目に足をさして奥のガバまで届かせた。

結構スリルのあるマントルだった。

カンニングした上でめちゃくちゃアドバイスされながらどうにかフラッシュ。普通に良い課題だったので内容を知らない状態でトライした方がよかったかもしれない。

まとめ

この日の成果

指人形(初段/v7), エンドロール(二段/v9), ムササビ(二段/v9?), 夏への扉(1級/v6)FL

敗退

嘆きの壁(三段/v11)

カチの強さが足りなかったので、やはり岩を制するにはカチ力を高める必要があると実感した日だった。

帰りは中央道で渋滞にハマったので、クライミング用語しりとりをして帰った。

有名課題を言えるとめっちゃ気持ちいいのでおすすめ。