定期的に更新がダルくなるけど、年末は野猿谷で冬現鏡を登ったり、神奈川の某所で何も登れなかったり、城ヶ崎で狐火を登ったりしていた。
今回は2022年初岩ということで久しぶりに御岳に行ってきた。
メンバーは(だれも集まらなかったので)今回はソロ。
ソロ御岳は一昨年の真夏に一人で行って完全にボウズだった苦い思い出があり、あまりやりたくなかったが、寒いのが苦手な僕としては1月なのに最高気温が13度の予報の御岳はまたとないチャンスと思い突撃。
狙いは長らく敗退を続けているin tokyo!(三段)。
最初に見たのはたしか高校生の頃に初めて御岳に連れて行かれたときで、その時はエゴイストのスタートが出来て喜んでいたレベルだったと思う。
当時隣に三段があるといわれてもガストンガバくらいしかホールドは認識できなった気がするが、そこから10年近く経過し、まだクライミングを続け、同じ岩に通っているとは当時の僕としては予想だにしないことだろう。
ムーブ解決
本格的に打ち込み始めたのは2020年始めくらいだったと思う。
その前にも遙のついでにちょっと触ったり、全くトライしたことがなかったわけじゃないが、真面目に打ち込んではいなかった。
その時はツヨなクライマーのSくん達とセッションし、Sくんだけ抜け駆けで完登されてしまい、春のうちに登ることを決意しながらも達成できなかった覚えがある。
ただ、その一日で下部のムーブは解決出来て、皆がアウトサイドフラッギングで左クロス取りしている1〜2手目のシークエンスを自分がこなせなかったので、左手出しの後に寄せる右手まで飛ばしで解決した。 個人的にこのムーブのほうが明らかに易しいと思うのだけれど、採用してる人は見かけない。
その後の核心取りの足位置に難儀して、深い足なら出だしはやりやすいが遠すぎ、高い足は狭くてキモくて距離が出せない状態で詰まり、敗退となった。
さらに期間をあけて2020年終わり頃、上部のパートの確認を開始、右足を初手のホールドに超絶掻きこむことでリップ手前のカチ取り部分を解決、そのままリップに飛ばしで核心以外のバラしを完了。
ただ結局年内に登ることが出来ず、2021年の1~3月のプロジェクトとして通い込み、2月に一度だけバラしで核心を止める事が出来た。
この時点で雑に触っただけの日を含めて7日とかそれくらいのはず。
完登を決心して2キロ減量、トレーニングに励み、有給の予定を立てて挑んだ3月、仕事で炎上プロジェクトに投げ込まれてしまい強制レストとなる。
ちょくちょく登れたものの、炎上は真夏まで続き、in tokyo!トライどころではなくなってしまった。
その後仕事も落ち着き、クライミングの習慣を取り戻しトライ再開ということで先日に至る。
完登
登れたその日は、特に完登を目指すとかそんなつもりは無く、ふたたび数ヶ月のプロジェクトとして始めるべく、ムーブの思い出しの日に当てるつもりだった。
正直仕事が忙しかった期間の体重増加を戻しきれてなかったし、当時ほどトレーニングにも勤しんでなかったので登れるわけないという気持ちでいた。
なんなら、ド敗退かましてこれをトレーニングのモチベーションにしようというつもりで挑んだのだった。
そんな調子で10時半ごろにロッキーボルダー到着。
相変わらず盛況な岩で、in tokyo!トライ中の先客は4人ほど。
珍しく直上トライが3人でガバあり版トライの自分がマイノリティだった。
適当にアップを済ませ、下部パートを思い出す。とは言っても、全てのムーブの動画もあったし、細かい手順のメモ書きも残していたのでここは問題なし。
上部もそこそこ安定していた記憶があるので核心の練習にとりかかる。
エッジが鋭いホールドばかりなので丁寧にトライ。
この練習を1,2時間やって指皮終了で終わるつもりが、3,4回くらいの練習で止まってしまった。
これで登れることを確信、繋げトライに取り掛かる。
日陰の岩なので休みすぎて冷えないように気を配りながらもレストの時間は十分に確保。
数トライの後に核心を再びとめることが出来た。もらったと思い足を上げる。
ところがここで思ったよりヨレが来ていて、体が上がらない。
無理矢理手を出したが足が先にすっぽ抜けてフォール。
千載一遇のチャンスと思ったのでショックだった。
とはいえ、好感触に変わりはなく、すぐにまた核心をとめられる自信があった。
一旦上部のムーブを再確認、バラしも行って正しいムーブを思い出す。
バラせば後半は問題ない。下から繋ぐと案外ヨレるらしい。
ここからはひたすら繋げトライ。
数回核心に跳ね返されたが、5回くらいのトライで再び核心を止めることができた。
今度こそはと思ったが、すっぽ抜けてフォール。。。
登れそうという気持ちの焦りが出ている気がしたので、意識して長めにレストする。
レスト中は鵜の瀬岩の方まで歩いてみたり(途中、遊歩道が完全に凍結していて怖かった)して、なるべく冷えないようにして過ごす。
気持ちを落ち着けて再度トライ。
下部は安定して突破。もはやここでは落ちる気がしない。
核心パート。息をフッと吐きながらデッド。核心を止めることができた。
疲労感もそこまでではない。
右足を掻き込んで重心を上げ、薄カチへ。しっかり握ることができた。
慎重に重心を上げ、リップへデッド。ここは問題なく止めることができた。
リップ落ち敗退している人を何度か見たことがあるのでかなり不安だったが、事前にバラしておいてよかった。
最後はマントルを返して、無事に完登。
お気持ち
登れた時は全てが完璧で、自分の体に無意識な箇所がないかのようだった。
そのせいか三段の負荷もあまり感じず、会心の登りをすることができた。
岩の上で寝転がり完登の喜びに浸る。じわじわ完登した実感が湧いてくる。
この瞬間のためにクライミングをしていると言っても過言ではない。
in Tokyo!は長い期間苦戦した課題だったので、登りきって燃え尽きる不安もあったけれど、登りきってむしろ自分の登りに自信がついた感覚がした。
トレーニングのモチベーションも上がりそうでうれしい。
、