お登りさん日記

ほぼ岩の記録。課題のネタバレはがっつりするので悪しからず。

久しぶりの笠間ボルダー

週末にジムの人たちに誘われて笠間に行ってきた。

前回は2年くらい前で到着後30分で土砂降り撤退、その前は5年前に塩原で雪敗退からの転戦で半日登ったきり。

一日しっかり登るのはなんと7年ぶり。初めて花崗岩を触った時以来となる。

大して遠くもないのにかなりご無沙汰だった。

そして大して遠くもないのに朝5時集合。現地に8時前に到着。早すぎ。メンバーも8人と大所帯。

石器人スラブ、シンプルファイター、エ・モーション

なんとなくの流れで課題が色々集中しているシンプル岩のところへ到着。まじで7年ぶりの場所。

石器人スラブもシンプル岩もなんか若干小さくなったように感じた。不思議の国のアリス症候群かもしれないw。

なんのアップもしてないけど石器人スラブ(初段)をみんなでトライ。

大した手もないのでアップ関係あるのか謎だけどスタート以降ろくに乗れない。

30分くらいやいやいしてたけどあまりにもなんもできないので飽きてシンプル岩へ移動。店長たち数人は残留。

5人くらいでシンプルファイター(1級)を攻め立てる。

どこかで笠間で一番易しい1級と書かれていたのを見たけど普通に難しい。

スタートも初手も持てたり持てなかったり。足もめちゃ下か超ハイステップかで欲しいところに全くない感じ。

超ハイステップは試したけど上がる気がしない。

初手が持てると色々動けそうで、2本指でチクビを抑えつつラップでどうにか持って、右手を右側に伸びるダイクに下ろせば一応キャンパもできる。

でもリップのダイクまでちょっと届かない。数打ちゃ当たると思ったけど、何故か左手が持てない時もあってわけわからない。

なんだかわからないけど磨きまくったら持てるということがわかったので、磨きまくって数打つ。

リップまで一発は厳しかったので手前のスローパーを無意識に経由した二段階キャンパで解決。登った直後に今狙わなかったホールド持ったな?となった。

最近言語化してないクライミングが多い。

自分だけ抜け駆けで完登したので続いてエ・モーションをトライ。

SDで1手増えるだけならと思いいきなりSDからトライ。したものの、全然初手が止まる気配がない。

シンプルファイターのグレード感からして初手の後の1級パートでバシバシ落とされる予感がしたので結局立ちスタートから始めることに。

立つと右手をアンダースタートできるらしいが、 SDの時は一手間増えることになるのでアンダーは使わず、SDで初手止めましたーの体制をイメージして始める。

初手、真ん中だけ持てない薄カチ。両脇がエッジ立ってるのでその辺を意識して持つとどうにかなる。あと足位置はいろいろあるみたいだけど自分はダブルヒールが一番安定した。SDが左足ヒールなので、これならヒール解除の手間も省ける。

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右手真ん中が効かない。ダブルヒールがミソ。

二手目、右手を送ってリップ。かなり外径してる感あるけどひっぱたくと絶対止まる不思議系ホールド。

からの三手目、ダイクっぽく膨らんでるのでかかりがいいと思いきや何故か油断するとすっぽ抜ける。店長が苦しめられていた。僕も何度か吹っ飛ばされた。

最後に四手目のガバ。保持的には問題ない。

でもここからのマントル体制でびびる。怖いというよりは動けなくてびっくりという感じ。じわーっと足を上げてマッチ、右手をリップまで戻して左足を三手目まで上げてマントルもどうにか解決。見ために反して痺れるナイスな感じ。

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マントル。痺れる。

というわけで立ちスタート版はサクッと解決。(初手の解決で30分くらい苦しんだ)

そしてまた座る。初手が結構小さいカチなのにバシバシデッドしてたが、どうやら聞くにじわじわスタで取りにいくらしい。

半信半疑だったが試すと案外惜しいとこまで行ける。届くのだが右足を解除しようとすると体制が維持できなくなって抜ける。

一緒に打っていた店長は右足を自分よりもっと左側に置いてスタートしていた。

このムーブをパクったらかなりいい感じになった。さすが店長なだけあってムーブがうまい。僕も店長になればクライミング上手くなるのかな。

しかしここまでで左ヒールを頑張りすぎて膝が悲鳴を上げはじめる。あまり回数は打ちたくない。

集中してもう1トライ。初手を止めた後も右足の位置がキモくならないのでそのままヒールに移行できる。

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SDの初手を止めたところ。右足の位置が大事。

ヒールしたらあとは立ち版と同じ。落ち着いて登り切ることができた。

大昔に来た時はスタートの左手が意味不明で見ただけで登れる気がしなかった課題だったが、今回はあまり時間をかけずに登ることができた。

長い時間をあけた課題は成長が実感出来て普段とはまた違った完登の嬉しさがある。

この後は他のみんなを応援して、お昼くらいにギル岩へ移動。

ギル岩

ギル岩上のひらけた場所で日向ぼっこしたりおにぎりを食べたりしてのんびりムードになりつつぬるりとWay of Gill(1級)を始める。

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ギル岩の上の日向ぼっこスポット。下ではクライマーがお昼休憩している。

僕は結構休憩してしまい、みんなが苦しんでいるのを眺めていたが、どうやら1級にしてはだいぶ悪いらしい。

最初は左側クラックなし、下の岩なしのストロングスタイルだったが、あれよあれよと何でもアリ状態になった。

僕も休憩終わりにストロングスタイルに挑戦したが、下部の右手デッドの時の左下の斜面がプレッシャーになりすぎて断念。そうじゃなくても結構悪い。

結局なんでもアリスタイルでトライ。下の岩ありだと相当楽に上部まで進める。

カンテのポッケやカチやスローパーをパシパシ叩いて、最上部の右手ランジまで進む。

しかし、またここで左下の斜面が威圧感を放ってくる。

これが二段とか遠征先の課題だったらランジしていたと思うが、妥協に妥協を重ねた下の岩アリ版な上に1級となると、逆に覚悟が決まらない。

結局びびり敗退してしまった。

今度トライする時は限定するなりlow startの二段に挑戦するなりで覚悟を決めてトライしたい。

みんなが諦めて移動するなかOさんが残るとのことだったので、店長とスポットに当たる。

Oさんは気合のワンハンドダイノでリップを止め見事に完登していた。まじですごい。

ヒップ岩

14時くらいに山を下ってヒップ岩に移動。

みんな思い思いにスラブの1級?やモラン(初段+)、ブラックサンダー(初/二段)をトライ。

僕はモランは登ったことがあったので、色(二段)かブラックサンダーを迷って、とりあえずブラックサンダーからトライ。

下部は4級のトラバース上部も7級くらいのガバアンダーで、そこからマントル前の一手とマントルがこの課題の実質的な内容らしい。

実際にやってみると、マントル前のガバアンダーで上がるところまでは問題なくいける。が、寝不足とヨレでアンダーを引いている左腕が吊りそうになってしまい距離を出せない。

たくさんお茶を飲んだりと抵抗してみたがやはり吊りそうになるので諦めて敗退。

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結構レストできるが吊りそうなのが治らないところ。

色のトライに移ったが、ヨレ始めていたので結局一度もリップのスローパーを止めることができなかった。

いまいち気持ちが一つの課題に向ききらなかったのが敗因かも。

珊瑚岩、ヌタバ岩

15時すぎくらいに移動し、最後は樹海(初段)のある珊瑚岩へ。

樹海は3、40手はありそうなめちゃ長いリップトラバース課題。中盤の3級くらいのパートが核心で後はがっつりガバなので、体力がある人ならお買い得初段と思われる。

自分は7年前に登っており、当時は死にそうになりながら最後まで進んだ記憶がある。

店長が1撃したので自分も続き、しんどかったけど当時よりは余裕をもって登り切ることができた。7年前は(雨でびしょびしょだったけど)トライ数もそこそこかかっていたはずだが、今回は1撃だったので、ここでも少し成長を感じた。

みんなが樹海セッションをしているので、自分はうるまをやろうと思ったが、Oさんがどこからともなく現れ、もっと下に岩を見つけたというのでそっちに同行。

その時は知らなかったが、あとで調べるとヌタバ岩という岩だったらしい。

掃除も行き届いていて小岩だし下地もいいのでチョーク跡を頼りにサブマットのみで適当に遊ぶ。

カナヤ(初段)を知らずにさらにlow startしようとして離陸できずに敗退したり、ハイタイおじさん(no grade?)を偶然トライしたもののド敗退したり、

ニライ(4級)を知らずに登って2級くらいとグレーディングしたり、エイサーの逆走で無理やりコーディーネーションして遊んだ。

トポを見ずに自由に登るのも何にもとらわれない感じがして楽しい。

満足して珊瑚岩に戻ってくると、店長がうるまをトライしていたので混ぜてもらった。

これも7年前に意味不明だった課題。今回も初手うっす〜wとか言っていたが、いい感じのスタートポジションを発見してしまい出来そうな感じに。

4トライ目で初手に成功した。止まると思っていなくて変な声が出た。が、そのすぐ後の足先行パートで足が上がらずにフォール。

軽くレストして、再度トライ。今度は変な声を出さずに止めることができた。次の足先行は全力で振り上げてリップにかけることができた。そのあとかなりモタついたがどうにかマントルを返すことができた。

ヤバイ課題のイメージだったのに5トライで登れてしまった。これは相当成長した感じがした。

店長も惜しいところまでいっていたが、やはり最後の最後だったこともありヨレて敗退していた。次絶対登れると思う。

最後は樹海トライ組の合間を縫って樹海の核心だけでマントル一発課題を作って遊んだり、ヘロヘロになるまで登って終了。笠間をしゃぶり尽くした。

まとめ

ジムの新参者ということで大人しめに登ろうと思ったが結局一切空気を読まずに登りまくってしまった。

グレード感について、笠間は辛いと良く言われているが、今回登った課題に関しては普通くらいな感じがする。

1級は難しかったので下のグレードの方が辛いのかもしれない。(アップで触ろうとした4級は明らかに悪かったので速攻でやめた)(シンプル岩右端のリップトラバースは7級らしい。騙されないほうがいい)

成果としては

  • シンプルファイター (1級)
  • エ・モーション (1級)
  • エ・モーションSD (初段)
  • 樹海 (初段)(再登)
  • うるま (初段)

敗退は

参考

ヌタバ岩のハイタイおじさん含め、白本に載っていない課題をまとめたブログ

【index】笠間のトポにない課題を集めた差分トポ | 本読み ときどき 岩登り