お登りさん日記

ほぼ岩の記録。課題のネタバレはがっつりするので悪しからず。

四国ボルダートリップ!初日~二日目(黒潮ボルダー)

瑞牆の帰り、Wさんから四国ボルダートリップの思い出話をされて、めちゃくちゃ行きたくなったので行ってきた。

その場にいたYさんとざっくり日程を決め、10/30(金)から11/4(水)までの長めの休みをとり、いざ出発。

初日

jetstarで成田空港から約1時間半、高知空港へ到着。レンタカーを借りて、まずはトポをゲットしに近くのジム、allezへ向かった。

しかし、四国のボルダー人気が高まっていることもあるせいか、トポは売りきれ。

慌てて近くのジムを調べたら、ソニックライミングガレージというジムでトポを見せてくれるとのこと。同時に現地にクライマー仲間の仲間がいて、その方からも仁淀川と物部のトポを貸していただくことになった。

いきなり詰んだかと思ったけれどなんとかなった。現地の人の優しさが沁みる。

岩場の情報をゲットし宿へ向かう。泊まったのはペンションお宿。

ペンション お宿(高知) ホテル・宿泊予約-楽天トラベル

建物は古いけど格安で朝食付き。しかもがっつりな量で出てくる。

宿泊客が残していった色紙を飾っているらしく、クライマーも来ているようだった。

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色紙が壁に貼ってある

荷物を置いて、ちょっと面白そうだったので翌日のアップを兼ねてソニックへ戻った。

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結構きれいめなジムで、新しいホールドも多い。課題はムーブにちょっとクセがある感じ。ゆったり3級くらいまでを登ってこの日は終了。

二日目

お宿のおじいちゃんに朝食を6時に出してもらうよう頼んで、7時くらいに出発。海ボルをやりにまずは大山岬へ。

大山岬

大山岬は日本ボルダリングエリア下巻にも一応掲載されているエリア。ここでのお目当ては冒涜の虹(初段)、 crazy for you(初段)。

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crazy for you

アプローチは近くて、岩を通り過ぎて喫茶店の跡地より少し先の駐車スペースに車を停めたら、戻って道路から階段を降りて岩場へ行ける。

まずは先客もいたので冒涜の虹からスタート。

冒涜の虹(初段)

冒涜の虹、crazy for youどちらも同じ岩だけれど、どちらも下地が最悪に近い。冒涜の虹は核心から吹っ飛ぶとちょうど50cmくらいの岩の段差に落ちる。マットを下側と上側に置いておけばとりあえずは大丈夫そうだった。

舗装された部分の横からスタート。序盤のマッチを繰り返すパートは足が少し悪かったけどとりあえず問題なく突破。

核心のパートへ入る。右手のカチが指二本しか満足に入らず、人差し指は反った状態。上手く握り込めなくてどうしても下地の悪さを意識してしまう。左足をヒールしたいけど、そのホールドもいまいち信用できない。

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右手を取ったところ

とりあえず下を確認してからランジすることにした。びびっていたので取り先にはタッチできたけどフォール。

落ちるポイントと落ち方は確認出来たけど、やはりスタティックに取りに行きたい。

先客のおじさんは核心ホールドをガストンすることで人差し指をちゃんと効かせているようだった。

自分も真似してみたが、やはり足が悪くて怖い。正直振られても怪我しない位置に落ちることが確認出来ていたので、ランジの方が相性がよさそうだった。

何度かトライして、ガバ足より少し高いところに左足が乗せられそうだったのでそれを軸足にランジ。

右手がめちゃくちゃすっぽ抜けそうだったけど、抜けたら顔から落ちそうで怖かったのでがんばって保持る。

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左手をランジで止めたところ。どっちも抜けそうで怖い!

振られをいなして右手出し。最後にガバへ左手出し。すこし外して怖かったけど耐えられた。ここまでくればあとはガバガバなので足が滑らないよう注意してトップアウト。

高さの恐怖感でアドレナリンがドバドバ出る。足も手も震えるし結構緊張したけど幸先よく成果を出すことが出来た。

そのままYさんと一緒にcrazy for youをトライすることにした。

crazy for you(初段)

こっちはさらに下地が悪く、取り付きのしたがV字に窪んでいて、背中から落ちると後頭部を打ちつけそうだった。しかもがっつり振られる方向に地ジャンスタート。

初登者の正気を疑う課題だったが、慎重に振られ落ちの場所を確認してマットを設置、ジャンプの距離感を測るために何回もホールドをタッチするだけの練習をした。

ただ、そのあとも3mくらいの空中で頭が下になりそうなヒールをしたり、結構イカれてるムーブを要求される。

見かねた別パーティの方がマットを貸してくれたので地ジャンの後に落ちそうなところにもマットを敷く。

Yさんも入念にスポットの立ち位置を確認して、ひとまず自分から本気トライ。地ジャンは落ちたらどうなるか考えなければミスすることはないくらいのガバスローパー。中途半端にびびると逆に危険そうなので思い切っていく。とりあえず成功。キャンパで左手出し。ガバなので問題なし。

イカれた手にヒールをして右手を送り、ブラインドの左手デッド。を、外した。

右手右足がガバだったので大きく振られてマットよりもはるか右側へフォール。奇跡的に平らな部分に両足同時に着地した。かかとを強く打ちつけて打撲になったけど、それだけで済んだ。

痛みに悶絶したけどすぐに歩き回れるくらいの軽傷でよかった。正直これでメンタルが負けたのでこの課題は敗退。Yさんも地ジャンの段階でやる気を失ってたし移動することにした。

あと、終わってからyoutubeで完登動画を見たら、僕が落ちた左手デッドはオブザベミスで、スタティックに全然違う位置のホールドをとることが出来るようだった。意味もなくリスキーなムーブをしてしまっていた。これを見てハイボールではオンサイトトライに拘らずに事前に動画を見ようと心に決めた。

尚、この決心は1時間後には忘れて、今回の旅行でトライした課題はほとんどオンサイトトライすることになる。

個人的にオンサイトトライの権利は大事にしたいと思っているので、最初のトライだけは動画を見ないことが多い。

行動パターンに染み込んでいたので決心くらいでは変えられなかった。

百と八つエリア

百と八つの流れ星は干潮前後くらいしか触れないらしかったので、11時ごろに移動した。

この日の干潮時の潮位は60ちょっとで、14時くらいには100を越えるかどうかくらいまで上がるとあったけど、それくらいの潮位なら下地が海に沈むことは全くなかったので行く人は参考にしてみて欲しい。

アプローチについて、トポに記載のお好み焼き屋跡地は2020年10月末時点では工事中で駐車出来ず、その少しだけ先のバス停の端っこを使わせてもらうのが暫定で一般的なアプローチらしかった。

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ここらへんにバス停がある

この情報は現地のクライマーに教えてもらっていたが、僕らが行った時はそこも満車だったので、さらに通り過ぎて加領郷漁港エリアの駐車スペースを使った。ここからでも15分くらい歩くだけで行ける。

百と八つの流れ星(ungraded)

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クライマーでなくてもこの岩はなんとなくカッコよく感じるんじゃないだろうか。

写真で初めてみた時、こんな岩を登れる場所があるなんて!と嬉しくなった覚えがある。

到着した時は先客が2組ほどいてすでに賑わっていた。

自分たちもマットを敷いて混ぜてもらい、トライ開始。

下部はガバガバなので問題なく高度をあげられる。ガバパートを越えて最初のカチ取り。ちょっと悪いけど掛かりは悪くない。でも次が体勢も悪く遠い。タッチするつもりでランジ。触ってみると右手よりさらに悪かった。

でもこっちは下地もいいし着地も問題ない。

すぐに再トライ。ランジはなんとか止められた。足をあげられる場所を確認する、ところで左手が抜けた。

盛大に猫パンした。小指がゴリっと抉られて血が止まらなかった。ついでにティッシュも忘れてきていた。手でふくとチョークが付かなくなりそうだったので手首で拭いて、絆創膏をする。滲みまくっていたけどとりあえず応急処置としてはOK。

猫パンすると結構萎えるので、しばらく他の人たちを応援しながら休憩。血が止まったら再開しようと思ったけど、結局待つのがめんどくさくなってトライ再開。

3トライ目。再開したけれどメンタルには来ていたようで左手をあっさり外す。

いったん軽い昼食を食べて、もう一度休憩。気持ちがパフォーマンスにモロに出るタイプなので岩を見上げてテンションを保つ。

休憩を終えて4トライ目。今度は左手が止められた。猫パンしたトライよりしっかり掛かった。

右足をガバにヒールしてリップ手前のガバを取りに行く。これが自分のリーチには超パツパツで、ガバまで届かなかった。ガバ手前をスローパー持ちで耐える。

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耐えてるところ。ガバまで数センチ届かない。

ヒールをトウフックに切り替えてデッドで送る。届いた。こうなればウイニングラン。キャンパでリップ取り。マントルはガバ。

無事完登できた。

でも高度的には岩の3分の2くらいの高さでリップなので、とりあえず一番上まで登ってみた。

リードみたいな高度感。晴れていたし周りには何もなかったのでいい景色だった。

そのあとはYさんの応援をしたり、散歩がてら4,5級くらいになりそうな岩で遊んだりして過ごし、15時手前くらいに移動。

松風のエリア

こっちのアプローチは春野漁港付近にちゃんと駐車場が広めにある。道路から松がちょこっと見える位置にあり、駐車場から岩まで数秒で着く。

下地は砂浜で最高に良い。多分マットなしでも怪我しないと思う。

松風(1級)

17時くらいについたので日が暮れるまであまり時間がなく、急いでオブザベする。

上部が遠いのが核心ぽいが、まあ距離出しのデッドか何かだろうと当たりをつけてオンサイトトライ。

でかいガバからカチ、カチ、カチ。ただ今日の課題では一番甘い、かかりを感じないカチ。いまいち信用できなかったけど足が良いので順調に高度をあげる。

核心のパート。左手のかかりが甘すぎてデッドする勇気が出ない。右手をいろいろ探ったけど特に見当たらない。諦めてフォール。

Yさんも同じくらいのところでフォール。Yさんは180cmくらいある長身クライマーなので自分とムーブが違っていて若干狭そうだった。

デッドが悪すぎる雰囲気だったので、垂直すぎてもてなかった右ガストンを、下からクロスで左サイドプルで取りに行く。左足をめっちゃ張って、体をあげていく。これなら遠い核心のカチをスタティックに取りに行くことができた。

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クロスで左手を止めたところ

そのままリップへ。リップ以降はガバガバだったのでそのまま完登。一撃し損ねたけど、オブザベで読めないムーブだったので、納得の二撃だった。

そのあとはYさんの応援をしつつ、左の方にあった黒潮ジャンプみたいな名前の3級を登った。

明らかに途中にガバがあってダブルダイノの必要はなさそうだったけど、そこにチョークはついてなかったし限定と判断して飛ぶ。飛ぶと言ってもめちゃくちゃ近いので簡単だった。今時のジムにあったら5級とかつけられてもおかしくなさそうだった。

この日は十五夜だったので、日暮れまでこの岩で遊んで十五夜の満月をバックにエモい感じの写真をとった。

この岩もクライマーじゃなくても一枚写真を撮りたくなりそうな雅な雰囲気があるので十五夜で雅感増し増しな写真が撮れた。

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月に照らされる松風

まとめ

初日に最も印象的な課題二つを登れて幸先の良いスタートができた。 夜は高知名物カツオのたたき定食をいただいて終了。

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おいしい

この日の成果

  • 冒涜の虹(初段)
  • 百と八つの流れ星(ungraded)
  • 松風(1級)

敗退

  • crazy for you (初段)